重要事項説明って何ですか?
Question
重要事項説明って何ですか?
不動産売買の契約前に必ず行うと聞きました。
どんな内容ですか?
Answer
契約とは、簡単に言えば「約束」です。
どんな約束でももちろん原則的には守らないといけませんね。
とはいえ世の中には、法律上の罰則が生じない程度の小さな約束もあります。
でも書面を交わすような契約の場合は、法律上実行に強制力が与えられます。
実行できなければ契約違反とみなされ、罰則が生じる場合もあります。
中でも不動産の取引の場合、とても大きな資産のことですから、例えば売買契約を締結すると、売主様・買主様双方に契約を実行する義務が生じてきます。
義務ですから、契約違反には罰則も伴います。
後々大きなトラブルに発展してしまう可能性もあるので、きちんと売買契約を交わしておくことが必須となってくるわけです。
そこで、売買契約を締結する前に、仲介業者又は売主である不動産会社は、物件及び取引条件等について重要事項説明を行います。
例え買主様・借主様から省略してほしいといわれても、重要事項説明を省略することはできません。
業者は必ず説明を行う必要があります。
これは宅地建物取引業法という法律に罰則も含め規定されています。
重要事項説明には次の3つが必須です。
- 売買・賃貸の契約が成立する前に行う
- 書面(重要事項説明書)を交付して説明する
- その会社に所属する宅地建物取引士が説明を行う
説明すべき項目も決まっています。
項目は大別すると2つ。
「宅地建物に関する事項」と「取引の条件に関する事項」です。
売買契約の場合、「宅地建物に関する事項」としては、
- 登記されている権利
- 法令による制限の概要
- 私道負担
- 飲用水、排水、電気、ガスに関する事項
- 宅地造成又は建築工事の完了前の宅地建物については完了時における形状、構造等
- 区分所有物については建物の敷地の権利や共用部分に関する事項
などがあります。
「取引の条件の関する事項」としては、
- 売買代金や賃料以外に授受される手付金や敷金の額、その目的
- 契約解除
- 損害賠償の予定又は違約金
- 手付金保全措置を講ずべき場合における保全措置の概要
- 支払金・預り金の保全措置の概要
- ローンのあっせんの内容とあっせんによるローンが成立しないときの措置
などです。
これらの事項はどれひとつをとっても軽んじることのできないものばかりです。
業者は専門家として自ら十分にその内容を把握して準備をした上で、買主・借主に説明をするようにしなければなりません。
一方、お客様の側から見ても、契約前に十分理解して最終決断する心構えが必要です。
買主(借主)様はもちろん、売主(貸主)様も注意しなければなりません。
理解していない事項で、契約後に告知義務違反を問われ損害賠償請求を受けることもあり得るからです。
買主(借主)様も売主(貸主)様も、契約の前に、できれば内容を確かめる期間を十分に取って、質問事項を固めて契約に挑むようにしましょう。
もちろんその前に、きちんとした調査報告を行う誠実な宅地建物取引業者を選択する必要がありますね。
※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。