「ブロック塀点検チェックリスト」を活用しましょう!
Q:大きな地震の度に古いブロック塀の倒壊事故が話題になります。
今度、新築用に検討している土地にも古いブロック塀が建っています。どんなことに気を付ければいいでしょうか?
A:新築目的や、中古住宅のリフォーム・リノベーション目的で敷地を購入する時に、古く壊れやすいブロック塀がそのままになっている場合があります。
古い家屋は解体しても、敷地境界の目印となる古いブロック塀は、解体せずに残して売買されることも多いようです。
中心地など古い住宅街の土地を買う場合は、特に注意が必要です。
古いブロック塀で注意した方がいい点は、主に次の2つです。
1.安全面
2.境界
先ず「1.安全面」についてです。
その塀が既存不適格建築物かどうかに気を付けてください。
ある建築物が「現在の基準は満たしていないが、作った当時の法令の基準は満たしていた」状態なのを「既存不適格」といいます。
既存不適格だと、直ちに今の状態を改善する義務はありません。
つまり、耐震性が低い状態のブロック塀がそのまま残り続けるわけです。
ここに大きな問題が2つあります。
ひとつは、増改築や建替えの際には新しい基準を満たすことが要求されます。
つまり、ブロック塀も建築確認申請になるということです。
そうすると、買主がブロック塀の解体処分費用を負担することになってしまいます。
安全性のためには当然の措置ですが、予定外の出費が見込まれます。
もうひとつは、更にシビアです。
既存不適格の塀は、そのまま残していても違法ではありません。
でも、こうした現行の基準(耐震性)を満たしていない危険な塀が倒壊して、
誰かに損害や危害を与えた場合は、塀の所有者(つまり買主)が、
民事上の損害賠償責任や、刑事責任を負うことになります。
つまり、建築基準法上は違法でなくとも、民法および刑法では違法となり得るのです。
この点に注意が必要です。
次いで「2.境界」についてです。
ブロック塀は敷地境界を兼ねていることがあります。
上記の理由などで、土地を買ってからブロック塀を壊す必要に迫られた時にも、
もしブロック塀が境界を形成しているのでしたら、直ぐに着手できるとは限りません。
「隣地所有者と折り合いが付かない」
「遠方で会話が出来ない」
そんな理由でブロック塀を壊そうにも壊せないことはよくあるからです。
このような理由から、危ないブロック塀が建っている敷地は、
売主(敷地所有者)にブロック塀を撤去してもらい、境界を明確にしてから
購入するのが望ましいでしょう。
少なくとも業者や売主と契約前によく話し合うべきです。
では、危ないブロック塀はどのように見分けたらよいでしょうか?
目安として、国土交通省が出している「ブロック塀点検チェックリスト」が分かりやすいです。
これでチェックして「どうも怪しい」と気付いたら、
遠慮なく不動産会社に訪ねてください。
もちろん敷地の購入時以外でも、チェックポイントに引っかかる様な塀でしたら、
早期に改修などの対策することを強くお勧めします。