私道②私道に面した土地の注意点
Question
こんなニュースが世間を賑わせています。
<長崎・青山町の団地内私道 所有者が一部封鎖 住民は法的措置検討へ>
検討中の敷地が私道に接しています。
ニュースを見て不安になってきました。
私道について教えてください。
Answer
◆
先日の「私道」の話の続きです。
私道に面した土地の注意点を紹介します。
◆私道部分の税金
私道にも固定資産税はかかります。
その他の税金も他の土地の場合と同様に、
取得すれば不動産取得税や都市計画税が、
相続すれば相続税が課税されます。
但し、私道であっても、各自治体に申請して
『公衆用道路』と認められれば
固定資産税・都市計画税・不動産取得税が
非課税になります。
現状の課税状況がどうなっているのか、
売主の納税通知書も見せてもらいましょう。
◆インフラ整備の負担が必要なケースも
道路整備や上下水道本管の配管・整備も、
公道と違い私道の場合は、私道の所有者本人か、
所有者の許可を得て私道や配管の利用者が
維持管理を行うことが原則です。
この場合に問題なのは、私道が共有名義なら、
名義人全員の同意と、持ち分割合に応じた
費用負担が必要なことです。
私道を分筆して各自が所有している場合も、
工事が私道全体に及ぶ場合は同様です。
このように、維持管理費が掛かるだけでなく、
工事を実施する場合の手続きの手間なども
十分考慮した上で購入の検討をして下さい。
◆購入前に「通行掘削承諾書」を
次は、ご質問のニュースと同様のケースです。
私道の所有者との関係が悪くなってしまうと
通行や道路等のインフラ整備に制限がかかる、
そんな可能性があります。
現所有者との関係が良好だったとしても、
ニュースのように所有者が変わった時点で
関係が悪くなることもあります。
その対策としては、購入前に必ず所有者から、
通行の自由や掘削の自由などを書いた
「通行掘削承諾書」をもらいましょう。
分筆の場合も、持ち合っている所有者全員に
承諾書の捺印をもらいましょう。
結構な手間かもしれませんが大事な点です。
ぜひ不動産会社に相談して実行することを
強くお勧めします。
このように私道に面した土地を購入する場合、
いくつかのリスクがあります。
とはいえ、たいてい私道に面した土地は
比較的手ごろな価格であるというメリットもあります。
私道だからといって過度に怖がらず、
どんなリスクがあるのか事前に調べてから
購入を検討するようにしましょう。