私道①「公道」と「私道」の違い
Question
こんなニュースが世間を賑わせています。
<長崎・青山町の団地内私道 所有者が一部封鎖 住民は法的措置検討へ>
検討中の敷地が私道に接しています。
ニュースを見て不安になってきました。
私道について教えてください。
Answer
◆道には「公道」と「私道」がある
私も少し前から注目していたニュースですが、
徐々に扱いが大きくなっている様子ですね。
でも、ニュースの解説はどうも感情論的で、
私的には煮え切らない印象です。
日本の道路事情は、実は結構な割合で
「公道」と「私道」が混在しています。
ですからニュースは、他人事じゃありません。
もし私道に面している敷地を検討中なら、
購入前ににちょっとした注意が必要です。
様々な要素が含まれる問題ですので、
何回かに分けて私道の説明をしましょう。
◆私道の責任も権限も所有者にある
至極簡単に言いますと、「公道」は
国や各自治体が所有している道路です。
対して「私道」は、それ以外の個人や
団体等が所有している道路です。
大事なのは公道であろうと私道であろうと、
道路整備等の管理は所有者が行います。
通行の許可の権限も所有者にあります。
責任も権限も、所有者が全て持ちます。
これが大原則ですから注意しましょう。
◆私道の所有者は誰?
私道でよくあるのは、地主や不動産会社が
所有する土地を分譲地として販売する際に、
道路をつくったケースです。
その場合、私道の所有者は次の3つが考えられます。
(1)地主(分譲会社)
(2)土地購入者の共有名義
(3)土地購入者で私道を分筆して持ち合う
(1)がニュースのパターンですね。
(2)はマンションの共有部分のイメージで
捉えると分かりやすいでしょう。
(3)は最近の分譲では少ないようですが、
昔は意外と多かったパターンです。
セットバックなど分譲とは別の理由で
この形になっている場合もあります。
◆公道か私道かを調べる方法
前面道路が公道か私道かを調べるには、
先ず各自治体の役所へ行きます。
和歌山市なら道路管理課が市道の担当です。
国道や県道の場合は問合せ先を教えてくれます。
もし市道(国道・県道)認定されてなければ、
私道である公算が高くなります。
その時は法務局へ行って確認しましょう。
先ず公図(土地の形状や地番等が分かる地図)
を取得します。
私道なら道路の形で地番が付いています。
(公道は地番が無い場合が殆どです)
参考図は地番の数が多くて難しいですが、
一筆の場合は登記事項要約書を取得して
所有者も確認してみましょう。
これで前面道路が公道か私道かを
確認することができました。
次回はいよいよ“私道に面した土地のリスク”を
お話していきましょう。