がけと擁壁の話④ 擁壁のチェック
がけ地の建築規制の話の第4回目、
擁壁の話の第2回目です。
◆擁壁の設置義務がある場合
さて、擁壁の設置義務が決まっているのは、
①「宅地造成工事規制区域」内のがけ
②「造成宅地防災区域」内のがけ
③それ以外で「がけ条例」指定のがけ
などの場合です。
(※①や②はがけ崩れ等の災害リスクが高い
として指定されている市街地です。がけ条例
よりは「がけの基準」が厳しいです)
建設予定地がこれに該当するのかどうか、
必ず不動産会社に確かめましょう。
◆擁壁の事前調査は大切
建設予定地がこれらに該当する場合は、
既存の擁壁が基準に適合しているかどうかを
慎重に調査する必要があります。
既存の擁壁が古い場合は要チェックです。
比較的新しい擁壁でも安心してはいけません。
亀裂やひび割れが生じている場合があります。
擁壁は、その高さや面積にもよりますが、
工事費用が数百万円~数千万円になる場合も
十分あり得ます。
契約後や引き渡し後に発覚したのでは
大トラブルになってしまいます。
繰り返しますが、慎重な調査が必要です。
◆擁壁のチェック
調査は専門家に委ねるのがベストですが、
自分の目で現地を確かめるのも大切です。
その時の目安をご紹介しましょう。
①表面の状態を確認する
→亀裂・ひび・はらみ・風化などないか
②材質を確認する
→間知ブロック積み・コンクリート・玉石・
大谷石・ブロックなど
③水抜穴を確認する
→壁面の面積3㎡につき1ヵ所以上で内径
7.5cm以上の水抜穴が必要
④外見を確認する
→二段擁壁・二重擁壁の場合は違反建築の
可能性あり
⑤役所資料
→高さ2m超の擁壁の場合は、工作物建築
確認及び検査済証を取得し確認
その他にも、国土交通省が公開している
活用してみるのも良いでしょう。
擁壁の設置義務がある場合の注意事項を
ご紹介してきました。これは必須事項です。
しかし、例え設置義務が無い場合でも、
擁壁の安全性は確かでなければなりません。
現地確認して擁壁の安全性に不安があれば、
必ず専門家への調査を依頼しましょう。